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ぼくの(リアル)なつやすみ 2005 その3

■2005/08/16(Tue.)■

 起きても、足腰がピキピキ痛むというようなことはなかった。「ワシらもまだまだイケますなぁ!」などと喜びはしない。むしろ「3日後ぐらいにガクガクのペケペケになってたりして……あぁトシだ」と、気の遠い思いをしてみる。

 でも、朝ご飯はお櫃丸々のメシを平らげる食欲。旅館の朝ご飯って、なんであんなに美味しいのだろう。食っている間、仲居さんがこの島のことをあれこれ説明してくれた。

「このあたりの島は製塩業が盛んなんだけど、逆に真水に乏しく、旅館でも節水の関係で入浴時間なんかを制限させていただいてるんですよ。」

 思えば当然の話なんだけど、島暮らしは水が貴重品!ということにそういえばこの28年間ついぞ思い当たらなかった。いや思い当たることはあったのだけど、そういうのはたいてい「ナントカ漂流記」の類を読んでいる時ぐらいだったものなぁ。

さかってる? 宿の裏のメシ屋で買われていたワンコロに別れを告げて、また爆走である。

 次の島で、「村上水軍博物館」というところに寄った。

 村上水軍は、瀬戸内のここらあたり一帯の島々及び海上交通を取り仕切っていたいわゆる野武士集団で、戦国中期に勢いをふるっていたらしい。歴史小説なんかを読んでいても、どの大名にも属さない連中というのはなかなかカッコ良く描かれているのだけど、なかなか「海の野武士」というのには陽が当たってないようにも思う(読書量が少ないだけかもしれませんが)。

水軍要塞 この島はいたるところに村上水軍ののぼりがはためいていて、博物館が何となく砦風のつくりになっているせいもあって、まるで荒海の男達の末裔が今もどこかに隠れ住んでいるのではないかと思えてくる。でも、きっと村上水軍の他にウリがないだけなんだろうなぁ。

 exitくんが売店で土産物に、噂の地元の塩を買い、出発。

050816_3.jpg 昨日とは打ってかわって快晴。まだ時間も早いせいか交通量も少なく、つい調子に乗ってしまう彼が好きだ。

 最後にして最大の橋、「来島(くるしま)海峡大橋」の手前に割と大きめのドライブインがあったので、休憩をとることにした。よく見ると道の駅で、中では海産物の即売をやっており、七輪と炭も貸し出してくれるようだ。ここでアジアジの魚介類炭火焼にビール、なんて展開があればサイコーなのだけど、おそらくそれをやると1杯が2杯になり、2杯が4杯になって、もう来島海峡なんてどうでもよくなってしまうに違いない、ということで、後ろ髪引かれる思いで出発。

 来島海峡大橋は、さすがに最長の橋だけあって、スケールが違う。地平線のようにまっすぐ前方に伸びた橋の先には、陸地がなかなか見えない。

 丁度橋の真ん中あたりまで渡ったところで、途中の島に下りるためのエレベーターがあった。橋の上から見た砂浜がとてもキレイだったので、すぐさま下りていく。自転車ごと乗れるエレベーターは、なんとなく関門海峡の下をくぐる「人道」トンネルへ続くエレベーターを彷彿とさせるものが。

海岸と橋 海岸は上から見たとおり、すこぶる綺麗。車で来ることができない島だから、レジャー海水浴場化しておらず、アホな家族連れや、幼稚なバカップルも来ないんだろう。橋の上から見た時、別の砂浜の近辺で海女さんが素潜りで貝をとっているのが見えた。次に来る機会があるまで、このままの海であってほしいなぁと思う。

 ちなみに橋の上から見るとこんな景色。

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 昼過ぎに四国上陸。来島海峡大橋を渡りきってすぐのところにサイクリングターミナルがあり、そこでレンタサイクルを返却することもできたのだけど、そうすると今治市内行きのバスをだいぶん待たなければいけないことが分かったので、更に今治市街を目指して走る。ついでにヒルメシを目指してもいるぞ。

 なかなか開いている店を見付けられずに彷徨うこと小一時間。ようやく見付けたお好み焼き屋に入店。とりあえずしまなみ街道走破を祝して、ビールで乾杯だ。ヤキソバやらお好み焼きやらとうふステーキやらをとにかくむさぼり食う2人。チャリダーというのはとにかくハラが減るもんだったよなそうだよなぁとうなずき合って、またバクバクバク。朝飯、ひとり3合ぐらいは食ってんだぜ?

 店のオヤジは無愛想に見えたが、我々の次の目的地である「湯ノ浦温泉」への道順を尋ねると、とつぜん顔に満面の笑みを浮かべて、店の外の通りまで出てきて解説してくれた。ナイスな親父だ。

 湯ノ浦温泉は、今治市内から約10キロ郊外の国道沿いにあった。国道に面した道の駅を目印に、T字路を左に曲がって高台へとぐいぐい登っていく。しかし、昨日の多々羅温泉もそうだったけど、地方の温泉保養施設というのはどうしてこうも軒並み山の上にあるんだろう。

 温泉につかり、汗を流してコーヒー牛乳を飲む……といきたいところだったが、ジョージアしかなかったので仕方なく缶コーヒー。分かってない!分かってないぞ湯ノ浦温泉!

 道の駅まで下りてきて、レンタサイクルを返却。たった2日間だったけど、良い旅の相棒でした。とても2日間しか乗ってないようには思えないんだけども。

 あとは帰路。

 夜行列車で一気に京都まで帰ることにしたのだけど、青春18きっぷは、乗車途中で日付を超えると2日分の料金が発生してしまうので、0時を超えてから最初に停車する駅を起点として乗るのがカシコイ乗り方である。今回のケースで言うと、それは東に約40キロの新居浜駅であった。まだ西日のひどい夕方である。とりあえず路線バスで今治市内へ戻ることにした。

 今治駅で、新居浜までの短距離切符とムーンライト松山の指定席券を買う。ちょうどそこへ京都の友人からメールが。

「盆どうしてる?今晩ヒマ?」
「ごめん、今四国」
「相変わらずワケわからんな」

 悪かったっすよ。

 サ店で少し時間をつぶして、電車で新居浜へ。高校の卒業旅行で、これは(地元でレンタルではなく)本当に京都からチャリで旅をした時に通過した街なんだけど、もう時間も遅いのでどこがどこだかサッパリ分からない。とりあえずバンメシを食って、0時半頃まで時間をつぶせるネカフェか何かを探さないといけないんだけど、こういう時こそGoogleローカル!ようやく電話で場所が確認できた方面へタクシーを走らせたわけです。

 駅前の地図を見て、なんとなくこのあたりから繁華街っぽいね、と見当をつけたその目印が「税務署」だったものだから、そのように運転手さんにお願いしたわけですが、運ちゃんはひたすら頭上に「?」マークをいくつも浮かべながら我々を運んでくれました。もう8時過ぎだもんな。「税務署まで!」は無いよなぁ。

ビックリアナゴさん 税務署からしばらくテケテケ歩いて、ファミレス風のうどん屋に入る。アナゴ天丼セットを注文したら、トンデモナイ天丼でびっくりした。うどんは……まぁ、その。exitくんによれば、「一昨日の夜に飲み屋で食ったおろしうどんの方が何杯もウマかった」とのこと。よっぽど気に入った様子、あのうどん。

 さてネカフェですが、どうやら会員制らしく、もう一度来ることは多分ないだろうなぁ、と思いつつ会員になりましたよ。しかしexitくん、

「会員にですか……!?あの、ぼくたち旅人なんですけども……」

 先日の「IT関連」といい、狙ってるとしか思えないですよ?

 もう3日ほどネットをしてなくて、こんなことは本当に珍しいほどのネットジャンキーですが、いざネカフェに放り投げられてみると、取り立てて見たいサイトがない、というか、ブックマを持ち歩いたりオンラインに置いたりしていないので、いちいち検索をかけて巡回するのが面倒というか……。

 仕方がないからマンガでも読むか……と思ったものの、いいところで出発の時間になったら悔しいので、例によって『かりあげクン』あたりを探すのだけど置いてねーし。

なかよし? なんか、ちょっとネットを見てあとは本棚をウロウロしていただけで時間切れになったような気がします。またタクシーで新居浜駅へ。さっき駅に着いた時は気づかなかったのだけど、駅前に丼およびラーメンの店があった。「バクニク飯」・「オロチョンラーメン」というのが売りなようだけど、それが一体なんなのかよく分からない。よく分からない「バクニク飯」屋の前では、ワンコとニャンコが並んで毛繕いをしていた。仲がいいのかな。

 あとは一路京都です。途中、瀬戸大橋通過中に目を覚ましたような気もするけど、あんまりよく覚えていない。きっとすぐ寝てしまったのだろう。

× × ×

 とにかく濃い、もりだくさんの3日間でした。僕は最初、まだ行ったことのない山陰地方に旅行したかったのだけど、尾道、そして瀬戸内の島々は本当に良いところでした。exitくんのグッドチョイスに感謝します。

 尾道、近いうちにまた来たいですね、そしてまたあの店で、ヨッパライ社長や「センセイ」と呑んで、今度こそ案内犬ドビンに会いたいです。



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