トップページへ*楽人にメィル*

clear.gif

diary_logo.jpg

clear.gif
m_select.jpgABOUTINFORMATIONWORKSDIARYREVIEWBBSLINK


ぼくの(リアル)なつやすみ 3

■2003/08/24(Sun.)■

▼お気に入り

 深夜目を覚ますと、隣の布団で寝ているはずのアッチがいなかった。見ると、部屋の脇の縁側のようなところに置いてある、折りたたみ式のソファーベッドのようなところに体を横たえて寝息をたてている。布団よりもこっちの方が気に入ったのか、彼はどうやら朝までそこにいたようだ。

▼墓参

『リリィ・シュシュのすべて』みたい。 朝飯を食らうと、墓参りに行った。さすがにただただ遊んでばかりもいられないのである。ご先祖様に礼を尽くす数少ない機会なのだ。父と俺と、なぜかアッチの3人でヤブ蚊のうなる山の中の墓地へと歩いた。墓地へは、たんぼに挟まれたウネウネ道を歩き、山すそへ分け入っていくのだけど、本当につくづくのどかなところなのだなぁこの辺は。空はまったく申し分のない快晴で、この後控えている川遊びに思いをはせる。

 帰り道、田んぼの中、道のすぐ脇の稲がごっそりひしゃげている部分があった。きけば俺たちが来る2,3、日前にクルマが突っ込んだそうな。この道は、この辺一帯から一番近い「市」と結ばれている道路なので、農道兼用といえども深夜にはこういうバカなヨッパライが結構いるらしい。しかしそこは昨日酔い覚ましの散歩の時にアッチがおもいっきり寝転んで星を見ていた場所と数メートルしか離れておらず、2人して肝を冷やした。

▼本番!!

近寄ると撃つぞ!近寄らなくても撃つぞ! 墓参りから帰って、水パン、ゴーグル、銃を手に、ワッセワッセと川のほうへ出かけていった。今日こそ盆のうっぷんを晴らす日。しかし、そのあまりの用意周到さに、さすがの親父も「お前らなぁ……」と失笑せざるを得なかったようである。

 この陽気のせいか、毎年遊んでいる賀茂川源流よりはずっと水はぬるかった。ぬるいといってもまぁそこそこにキモチ良く、「ウヒャー」「ヒェー」などとギャァギャァわめきつつ水中へ身を投じる我々。もう少し下流へ行けば、母が幼少時によく遊んだという淵のようなところがあるのだけど、そこは流れてきたゴミがたまっていたり、淵のすぐ上にある石材店から時折あやしげな水が流れ落ちてくるらしくてあまり身を投じる気にはならなかったんである。

ジャブーン。 そんなわけで結構岩ゴツゴツでちょっとした渓流気分も味わえる所で「この激流を、腕力だけで遡れるか」とか、恒例の水鉄砲銃撃戦とか、タニシレースなどに興じる我々。これはこの川に限ったことではないのだけど、本当にぼくらだけで楽しんでいるのがもったいないぐらいの環境&天候で、exitくんやN川、MSRやしゃら君も交えて一気にワッと遊んだら楽しいだろうな、と話し合った。

 我々のいる地点からよく見える橋の上に親父が現れ、なにごとか叫んでいる。「もう昼メシなのか」とあわてて撤収したのだけど、あとで聞いたら単に様子を見に来ていただけらしい。もしかしたら交じりたかったのかもしれない。

▼最後のひととき

 昼飯を食ってしばらくしてから聞いたのだけど、俺たちが川から撤収した直後に、近所のガキどもが同じように川でジャブジャブやっていたらしい。しかし向こうは小学校中学年、こちらは26歳である。先日もデパートのオモチャ売り場で、仮面ライダーになりきったジャリの相手をしていたら「おっちゃん、撃ったらやられてや」などと言われて相当にショックだったのだけど、なんの、まだやってることは小学生レベルなのだ。

 メシを食ってひといきついたら出発しようか、と言っていたのだけど、気がついたらアッチは例の縁側ソファーベッドでヒルネをはじめてしまっていた。本当にここが気に入ったんだなぁ。でも、夏の休日に田舎町の縁側でヒルネ、というのも彼のある種の夢だったのかもしれない、と思い、母と古い写真などを見て過ごす。俺が生まれてから17歳までの写真はほとんどこっちにあるのだ。

 ぺらぺらとアルバムを見ていると、小学校6年の俺が、友達と地元の山に登って飯盒すいさんをしている写真があった。カレーを食った我々は、一目散に川の上流の方に駆け出している。さっきまでの俺たちとどこが違うというのか。こうやって、母と喋ったり笑ったりしながらかつてを懐かしんだ。

 思えば、家族と過ごしたガキの時代18年、学生および学生気分の社会人で過ごした8年を経て、もしかしたらボチボチ次の大きなタームに入ったのかもしれないなぁという気がする。両親もこうやって俺の知らない生活を着実に歩み始めているし、俺自身の周辺事情も大きく変わったし。すこしさみしい気もするけど、まったく変わっていない面があることもまた、今回改めて明らかになったことだし、これでいいのかもしれない。

 さすがにアッチを起こして、帰路につかなければいけない時間になってきた。初日に、「雄虎の滝」で名水を汲んできた俺たちだったが、「ウチの井戸水の方がうまい」とか言われて(悔しいことに実際そうだった)、井戸水をペットボトルにしこたま持たされる。両親は揃って見送ってくれた。「エエ夏やった。ありがとう」と言うと、「次は“エエ冬”を用意しとくしな」と返ってきた。アッチは「酒と肴と……囲炉裏で熱燗」と、早くもその気である。

▼帰路

 帰路に限らず、だいたい俺が助手席でナビっていたのだけど、もう山陽自動車道に乗ればあとは京都南まで一直線なので、相変わらずaiko熱唱でひた走る。

 しかし遊び倒した3日間、さすがにアッチもいささかくたびれ気味らしく、俺が率先して休憩を提案することにした。で、三木サービスエリアという所に止まろうか、と進言したところ「うーん。ま、ええで」とどっちつかずの返事。でまぁ三木でみやげモンを冷やかしたりケンタッキー食ったりして(最近のSAってファーストフードが入ってるのね。オドロキ。)再出発したところ、アッチ絶叫。

「ふっかぁぁぁ〜つ!!!!」

 え、いや……あ、アブなかったんかい!!!!先に言ってくれよ!!

 そんなこんなで京都南着。京都駅前のソフマップに寄ってもらい、先日購入した中古プリンタを引き取る。「シメにばんめしでもどう?」という話は高速を走っている時からしていたのだけど、全然店が決まらないまま今出川まで来てしまった。というわけで、北大路ビブレに寄ってパックの寿司を購入、俺のアパートで食ってしばらく休んでもらうことに。

 いや、ほんまエエ旅でした。やってないのはスイカ割りと昆虫採集ぐらいなんじゃないでしょうか。ま、その代わりに酒と温泉があったので無問題です。盆を取り戻すどころかここまでサイコーの3日間になるとは思っていませんでした。アッチ、両親祖父母に感謝なのです。

 次は冬だそうです。exitくん、N川、MSR、しゃら君、姐さん、相方様、いかがでございますか?



clear.gif

copyright.gif