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 これといって特に何も特殊なテクニックを使って描いているワケではないんですが、舞台裏チョイ覗き、くらいの感覚で読んでいただければと思います。
(画像をクリックすると別ウインドウで大きな画像を表示します。)

■ラフスケッチ
ラフスケッチ  A4のコピー用紙(ミスコピーの裏紙等です)に、頭の中のイメージを思いつくままに書きなぐっていきます。なかなかうまくイメージを再現できないため、描いたり消したり。それで紙を傷めてしまうので、こうやって別紙に描きとるんですが、それだけにここで何度も検証しつつ作業を進めます。

 ちなみに一番最初のバージョンでは、CD聴いてなかったりしました。そんな風に、思いついたことをすぐに試してみられる、というのも、別紙ラフの利点です。

■下描き
下描き

 本描きに使っているのはアートカラーの漫画原稿用紙/A4です。アイシーの方が僕と相性がいいみたいなんですが……。

 ラフは、最初に頭の中身を紙に定着させたものなので、再現度が非常に高いことが多いんですね(もちろん、そこまで持っていくのに色々苦労もするんですが)。それで、ラフの裏に鉛筆でカーボンを作って原稿用紙にトレスするのがいつもの手段なんですが、今回はちょっとラフの段階で未定の部分が多かったんで、アタリだけトレスして、新たに下描きを起こしました。そんな訳で、服も若干変わっています。

 ポータブルCD、デカいよ(笑)。

■ペン入れ
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 ゼブラのGペン、丸ペン、PILOTのHI-TEC0.5ミリ、0.3ミリを駆使してペンを入れます。が、いかんせん量産してないので、ペン歴15年を誇るにも関わらず、線はダメダメです。

 Photoshopで色を塗るようになってから、線をキチンと閉じるようになった(選択範囲の都合で)のですが、それ以前に比べて一気に丁寧な印象を持てる作画になりました。が、その反面全体的に勢いがなくなったのもまた事実。今後の課題です。

 その分、CGにしないモノクロ原稿は、荒っぽいほどガスガス描いてるんですけども。

■下塗り
下塗り

 ここからPhotoshop上の作業。200dpi(ウチのマシンで作業するにはこれが限界)でスキャンして、白黒をクッキリさせ、ゴミを消していき、塗りに入ります。

 背景のない、キャラもののイラストの時は、パーツ毎に8割方くらいずつ完成させていくんですが、今回は人物の他に小物や情景も含めた「空気」を描いてみたかったので、全体の色味を見るために単色でビュンビュン塗りつぶしていきました。

 昔からファッションセンスについて手厳しく周囲からツッコミを受けてる僕ですが、最近ようやく好きな服を描くこと(そして着ること)の楽しみが分かってきました。が、今回のモチーフはヘタレ君ということなので、あまり考えずあえて安直な服に。ジーパンって、着るのも描くのも楽なんだよねぇ。

 ちなみに畳は後でテクスチャを貼る予定なのですが、上記の理由により仮塗りを。

■影をつけていく
影  ここが一番やっかいです。主にエアブラシを使用するんですけども、なにぶんタブレットを持っていないので、マウスを握る手の微妙な力加減でアサッテの向きに塗ってしまったり。左手は「ctrl+z」がホームポジションです(笑)。また、筆圧も再現できないので、エアブラシのフェード機能や、指先ツールを駆使して「それっぽく」見せています。もはや絵を描いている気がしません。

■テクスチャや文字を貼る
テクスチャ

 今回のテクスチャ部分は、壁、畳、雑誌、煙草です。煙草はホントに文字だけで、壁もフィルタでノイズをかけて、ぼかし(ガウス)で微妙にぼかした後で砂岩のテクスチャライザを施しただけなんでまぁラク。

 雑誌は家にあった「少年ジャンプ」。よい子のみなさんはあまり真似なさらない方がいいかもしれません(笑)。これを別にスキャンして貼り付け、角度にあわせて「自由変形」させる。それだけです。
 

畳

 畳は、こんなのを作って、継ぎ目が目立たないように敷き詰めていき、余分を消去。その後、畳の合わせ目の部分に「焼き込みツール」で影をつけて出来上がり。同様に、人物や小物のまわりにも影をつけていきます。

■ハイライトを入れる
ハイライト

 ここまででほぼ完成なんですが、イマイチ最初にイメージした「空気」を表現しきれていないように思えました。これじゃただボケーっとCD聴いてるだけちゃうんかと。

 そこでライティングの効果を加えてみることに。すべての色部分に、黄色でハイライトを入れていきます。鳥山さんが94年末〜95年にかけてよく使われた手法なんですが(ネタばらし…)、意外と画面に統一感が生まれます。

■全体に赤味を加えてみる
赤味を加え、完成。

 まだ物足りない気がしたので、さらに「夕暮れ」感/「独り」感を出すために色調補正>バリエーションで赤2回、黄色1回くらいをかぶせてみました。

 本当なら、壁に何か貼り付けたり、いっそ窓にしてみたり、小物を増やしてみたり(そういえばCDケースがない…)して、より生活感を出した方が僕のイメージに近かったんですが、体力気力根気マシンパワー等の限界により、諦めました。

 満足度71%。線画の時に、わりと優しい目線だったのが、色を塗ったとたんになんだか病んでるヒトみたいになって、かなり失敗。なんでだ?


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